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天に願いを
4〜6話
作:赤目(RED EYE)



第四話
襲っちゃおうかな

 巫女・摩耶香の姿のままで雄二は、数人の信者に周囲を固められつつ、イクについて徒歩で一〜二分の本部棟へ連れていかれた。自分の部屋の前までくるとイクは、監視役の信者たちに廊下で見張っているようにと指示した。
「し、しかしイク様。この業田雄二と二人きりになられては危険ではありませんか」
「大丈夫です。わたしとて霊力はあるのですよ。いざとなればこんな者には負けません。それに、あなたがたがここに居てくれれば、何かあってもすぐ助けを呼ぶことができるでしょう。
 わが天願教の素晴らしき教義をこんこんと語って聞かせるには、ふたりきりの方が効果的なのです」
 見張りの信者たちは納得した。

 イクは扉をしめると、音がしないよう静かに鍵をかけた。
 雄二の方へ振りかえったイクがまず最初にしたこと。それは小さな身体で深々と頭をさげることだった。
「雄二さん、教団と姉があなたに多大なご迷惑をおかけしまして、まことに申し訳ありませんでした」
 舌足らずなかわいい声でこんな堅い謝罪をされると、雄二は自分が悪いことをしたような気分になってしまう。
「いやいや、そんな……。ただちょっと突然女の子になってしまって驚いただけで。よくあることだし。……って、姉って。じゃあ、摩耶香という巫女、つまりいまのオレの身体の本来の持ち主だけど、この子はイクちゃんの姉さんなんだ」
「はい。姉はこの『天願教』の実質的な教祖で、たいへんなカリスマ性を持つ最高権力者なんです。姉の暴走は誰にも止められなくて……」
「そうか。姉さんのことで妹のイクちゃんが悩まなくちゃいけないとは、大変なんだな」
 しおらしいイクの顔に、一瞬苦痛らしきものが走った。
「あ、あの……。わたし、その、妹じゃなくて……」
「え?」
「弟、なんです。よく女の子に間違われるんですけど……。本名は郁夫っていいます。でもみんな愛称でイクって呼んでて」
 そういって顔を赤らめモジモジするイクは、それでもどう見てもボーイッシュな女の子にしか見えなかった。
 雄二の中で、また何か得体の知れないイケナイモノが弾け思わず言葉がでた。
「やだぁー、こんなかわいいのに男の子なんて!? イクちゃんてリボンとスカートが似合いそうよ。今度あたしが見繕ってあげよっか? キャハハ」
「ゆ、雄二さん! か、からかわないで下さいよ、自分だって気にしてるんですから。しかも姉さんの声と姿で……」
 ますます真っ赤で茹ダコのようになったイクは精一杯の抗議をした。
 言われた雄二もハッとして口を押さえてしまう。
「違うんだ。うう、まただよ、この姿になってから時々女の子モードになっちゃうんだ。しかも、どうやら茶目っ気たっぷりのラブコメキャラみたいで、自分でもブルー入っちゃうよ。……ごめん、イクちゃん」
「い、いえいえ、そういうことでしたら」

 二人は応接セットに移動して、腰をおろした。
「さっき摩耶香さんはカリスマだとイクちゃんは言ったけど、普段はいまみたいなキャラなの?」
「いえ、なんていうかもっと冷然として近寄りがたい感じがします。全然別人って雰囲気ですね」
「じゃあこのラブコメ少女キャラの人格発現現象は……」
「それはたぶん、姉さんの隠された人格なんでしょう。人は誰でも、表に出ている人格のほかに、秘められた人格を心の中に持っているものです。多重人格というほどではなくて、可能性としての未発現の人格です。それが、姉さんの本来の人格が雄二さんの身体に移動したせいで、『重し』が外れて時々顔を出すんでしょうね。姉さんにこんなケーハクな面があったなんてわたしもビックリですが」
「ケーハクで悪かったわね! 姉に向ってそんな生意気いう子は今夜襲っちゃ……うぷっ。また顔を出したぞ。これをカンペキに抑えるのは、結構難題……」
 イクは突然反撃をくらって、胸をバクバクさせていた。訴えるような目で言った。
「お、襲っちゃ、いやですよ。雄二さん……」 
「オレが言ったんじゃないって」


第五話
甘えていいよ

 イクは今回の一件について順を追って説明しはじめた。
 まず、イクたちの教団「天願教」は、イクの両親が創始したものだった。教祖は霊能力に富んだ母で、最初は霊現象などで困った人を助けるボランティアのような集団だった。教団が次第に信者を増やしていっても比較的当初の性格を残していたのは、父の実務運営能力によるものだった。
 だがいつの頃からか教団はある限界を超えて膨張しはじめ、莫大な金が動くようになっていた。その金によって、父母は堕落してしまったのだ、とイクはいう。

「父さんも母さんもお金のことばかり考えるようなりました。いかにして信者から金をむしりとるか、そして金づるの信者を増やすか。夫婦でいる時はお金の話ばかりしていました。そんな時なんです、母さんの霊能力が陰りを見せはじめたのは」
 教団の信者たちは、教義というより巫女である母の起こす奇跡への信仰から入信していたのだ。こうなると霊能力の陰りは、教団運営にとって致命的ともいえる事態だった。
「そこで白羽の矢が立ったのが、姉さんでした。姉は小さいころから母に勝るとも劣らない霊能力を示していたらしいですから」
 母に代わって、まだ幼い摩耶香が巫女を務めるようになり、最初のうちこそ力不足だった姉も、めきめき霊能力をつけてすぐ母以上の巫女になっていった。その過程で摩耶香はカリスマ化し、実質上母に代わり教祖の役目も果たすようになる。
 こうして教団はさらに信者を増やし、いまに至るというわけだった。父母は現在は摩耶香の後見人のような形で背後にまわり、実際は教団の実務運営をとり仕切っている。権力は摩耶香に、カネは父母に集中しているという訳であった。

「その摩耶香さんがどうして人格交換の術を試そうという気になったの? 万事順調だったんじゃないか」
「その通りです。普通ならこんな危険な秘術を試そうとはしないでしょう。でも母が金に毒されてしまったように、姉さんは権力に毒されてしまったのです」
 教団をさらに大きくしたい。飛躍的に信者を増やしたい。それには、自分の霊能力をもっと高めることが必要なことを摩耶香はよく知っていた。
「というわけで、業田雄二さん、あなたがねらわれたのです」
「……なんでオレが? ただの寂れた神社の息子で、何のヘンテツもない中学生なのに」
「雄二さんが八風神社の神主の息子さんであることはぞんじています。大変失礼なことですが、今回の一件のため教団は雄二さんのことをしらべました」
「ふうぬ」
「八風神社の息子さんだからこそ、ねらわれたのですよ。姉さんのねらいは神社の裏山に封印されている古代の銅鐸なのです。古文書には、この銅鐸を使えば人間の霊能力を数倍から数十倍に増幅できるとしるされていました。これを雄二さんに成りすまして、早い話が盗んでしまおうというわけです。……本当にお恥ずかしいはなしです」
 イクは暗い顔をした。
「そんなものが裏山に……。そういえばおやじが以前、本殿のご神体の他に、裏山にある八つの社で封印されている宝物があると言っていたっけ。耶馬台国の時代のものらしいけど」
「それですよ。この封印を解くには、いくら姉さんでも数週間の時間がかかります。ひとつひとつ解いていかねばなりませんからね。部外者が毎日神社の裏山を長時間ウロつくわけにはいきません。そこで周囲をあざむくため、人格交換の術をほどこしたわけです。――姉自身はともかく、まったく無関係の雄二さんを危険にさらす理由が、こんな私利私欲のためなのです。いくらおわびしても、足りないくらいです」
 イクは唇をかんだ。
「……ほんとうに姉は、権力のためには見境いがなくなってしまって。わたしはあんなに反対したのに……」
 そう言ってうつむくイクのちいさな肩は、小刻みに震えていた。
「イクちゃん……」
 雄二は、こんなに幼いのに一人でがんばっているイクの心がわかったような気がして、たまらなくなってしまった。
 立ちあがってイクの隣りに腰かけると、イクに囁いた。
「泣いちゃえ、泣いちゃえ。我慢なんかすることないよ、泣いてすっきりしちゃおうよ。ほら、オレ……あたしが、お姉さんの代わりになってあげるからさ(身体はお姉さんだし)」
 イクは必死で鳴咽を堪えていたが、目の前で姉の姿をした雄二が両手を開いてやさしく佇んでいるのを見ると、もう限界を超えたようだった。
「おねえちゃぁぁぁぁーーーん!」
 そう叫ぶと、雄二の胸に飛びこんできた。それを包み込むように受けとめる雄二。
「おねえちゃぁぁん、ぼく、ぼく、どうしたらいいのぉぉぉ? ぼくおねえちゃんのためにできることは全部したのに……うっうっ……それなのに……どうしてわかってくれないのぉ?」
 泣きつづけるイクを、雄二はただうなずきながら抱きしめていた。


第六話
お風呂にしましょ

 イクが雄二の胸で泣いていたのは一〜二分だろうか。それでもその時間はかぎりなく長く、そしてかけがえなく神聖に感じられた。
 イクは姉へのすべての想いを吐き出すように泣き叫んだあと、それでもなんとか早く涙を抑えようとしているようで、そのいじらしい様子が直接伝わってくる雄二は、ただただ「いいんだよ、いいんだよ」と呟いてやるしかなかった。
 ようやく泣きやんだイクは、雄二から身体を離して、はにかみながら「お恥ずかしいところを……おみせしました」と消え入りそうな声で言った。
「おねえちゃ……姉さんを支えるために、早く大人になる、つもりだったのに。こんな、子供じみたところをお見せしてしまって。……ぐすっ」
「ふふ、なにをいっているの、イクちゃん。イクちゃんはまだ子供でいいよ。そんなに突っ張ってばかりだと、疲れちゃうよ」
 イクの顔も涙でぐしょぐしょだが、雄二も貰い泣きをしてひどいものだった。
「姉さん(雄二さん)がそんな顔をしているなんて、おかしい。普段はぜったい人前で涙なんか見せない人なのに」
「何をいっているんだ、コイツ。いままであたし……オレの胸で泣いていた癖に」
 雄二はイクの頭をこづいた。思わず二人とも笑いがでる。
 どうやら雄二とイクは年齢を超えた友人になれそうだった。
「とにかくオレは、摩耶香さんの暴走を止めるため、イクちゃんの全面的な援軍になるよ。それに男に戻ることは、オレ自身の問題でもあるし」
  イクはこくんと頷いた。
「じゃあ、お互いこんな顔だし、そろそろ二人でお風呂に入ってさっぱりしようか、イクちゃん」
「はい、そうしましょう。もう遅いですし。……って、え?」
 イクはキョトンとしていた。

「ど、どうしてわたしと姉さ……雄二さんが一緒にお風呂へ入っているんですかぁ」
 教団の本部棟にある大浴場に雄二と浸かりながら、イクが抗議した。二人きりである。
「お、オレだって一人だと困っちゃうしさ。だって、身体は女の子なんだし……」
「だからといって、私がなぜこんなぁ」
「まあ堅いことを言うなよ、イクちゃんも昔はお姉ちゃんと一緒に入っていたんだろ? もしかしたら、まだ入ってた?」
「ち、ちがいますよー。二年前まではいっしょでしたけど、わたしが恥ずかしくなって、それ以来べつべつですから」
「ほら、やっぱり一緒だったんじゃん。もしオレが一人で入ったり、摩耶香さん付きの女官にかしずかれて入ったりしたら……」
 雄二はその場面を想像して、思わず湯船に潜ってしまった。
「ぶはー、た、たえられん。オレの女の子化が一挙に進行してしまうんじゃないのかー。……それに比べれば、こうしてイクちゃんが一緒なら気が紛れるし、身体を洗うとき悩まなくて済むし」
「え、えーと? それってまさか……」
「そうだよ。イクちゃん、じゃあオレのボディ洗いよろしく」
 雄二は無理矢理イクを湯船から引っぱり出すと、洗い場へ連れていった。
「もうー、雄二さんたら強引なんだからー。わかった、わかりましたよ、洗ってあげますよ」
 イクはぶーたれながらも、ボディシャンプーをタオルにふくませて、姉=雄二の身体を洗いはじめた。恥ずかしがっているとはいえ、さすがに姉弟である。過度にウロたえることもなく、テキパキと雄二の身体を泡だらけにしてゆく。
「んー、極楽ごくらく。あ、あとでイクちゃんもお姉さんが優しく洗ってあげるからね。んふふふふ」
「い、いいですよ別に。……そういえば髪はお風呂で洗うのは当然として、朝シャンもして下さいね。姉は毎日二回の洗髪は欠かしたことがないですから。姉もやっぱり女の子、教団の指導者として人前に出る機会が多いせいもあって、身だしなみにはそれなりに気を遣っていたようです」
「うう、この長い髪を毎日二回洗うのか。手入れも大変そうだなー。いっそ、ちょっと短く切ってしまうとか……」
 イクは手を止めた。
「それだけはやめて下さい。姉の自慢の髪なんですから」
 雄二がおもしろそうにしているを見て、イクはバツが悪そうにまた手を動かしはじめた。
「……それに、そんなことをしたら、姉が元の身体に戻ったとき、雄二さん呪い殺されますよ。ほんとうに、姉はこの髪が気に入っているんです」
「もちろん冗談だよ。イクちゃんの大事な姉さんなんだもの、オレがそんなことするわけないっしょ」
「んもうっ、雄二さんたら」
 イクは桶の湯を雄二の頭からぶっかけた。
「やったなー!」
 泡だらけの身体でイクに抱きつき、急所をくすぐる雄二。
「きゃはははは、や、やめてえー、お兄様ぁーっ」
 さらに必殺電気アンマ、お尻ペンペン攻撃と、狼藉のかぎりを尽くす雄二であった。

 しかし風呂から上がると、雄二は脱衣場で固まってしまった。
 女官によって新品のブラ・パンティと可愛いピンクのパジャマが用意されていたからだ。
「こ、これをオレが着るわけか……」
「そういうことになりますね。ご愁傷さまではありますが……。身体が姉である以上、男性用下着というわけにもいきませんから」
 さすがにショックを受ける雄二。照れ隠しに先手を打って自分から入浴を言いだしたのだが、いざ服を着る段になって最大の難関がやってくるとは。
 昼間は巫女姿で通していたので、下はパンティだが、上はサラシを巻いていただけだった。服を脱ぐときはなんとか我慢して自分の身体を見ないようにしながらサッと脱いでしまったが、今度はそうもいきそうにない。
 鏡の前に立って、バスタオルを巻いた自分の姿を見てみると、あらためて摩耶香が美少女であることを思い知らされる。ほんのりとさくら色に染まった頬に、うっとりと満足気にゆらめく瞳。洗い髪の映える上気した四肢もすらりと伸びやかで、あちこちそろそろ女性的な気配も漂いはじめていた。
「あうう……」
 入浴中はなるべく自分の身体も鏡も見ないようにしていた雄二だったが、こうして湯上がりの姿を(つい)マジマジと見てみると、なんだか真っ裸のときよりも余計に禁断の領域に足を踏みこんでいるように思えた。
 これで下手にはにかんだりすると、鏡の中の少女も全く同じ仕草をするので、余計に恥ずかしくなってしまう。男らしく(?)この状況を受けとめ乗り切るしかなかった。
 摩耶香の術を解いて自分の身体に戻らない限り、雄二にとって地獄のようなこの状況が毎日続くわけである。
「はぁ〜、イクちゃんの姉さんは本当にたいへんなことをしてくれたよ……」
「す、すいません」
 と、心底申し訳なさそうなイクも、湯上がりで上気してうるうるといたいけな感じだ。
「どうしますか雄二さん。ブラのつけ方、女官に説明させますか?」
「い、いいよ。ブ、ブラジャーくらい、なんとかなるさ」
 雄二はまずバスタオルを巻いたままでパンティを履いた。ちなみに熊さんのプリントが入ったパンティであった。
「ううう……」
 雄二は呻いた。
 とうとう覚悟を決めてバスタオルを取る。《ピー》な胸の谷間に《ピー》《ピ――――》(以上18禁検閲)で、なんとかイクに手伝ってもらって、格闘の末にブラをつけ終わった。
 これだけでどっと疲れたが、まだ安心するのは早かった。
 下着姿の摩耶香の身体は、またきわめて危険な香りを感じさせるものだった。あわてて新しいバスタオルを巻いて、今度は濡れた長い髪をタオルで丁寧に拭いたあと、髪を痛めないようゆっくりドライヤーで乾かす。
 その間、やっぱり鏡を見ていなければならなかった。
「とほほ……」
 なんともユーウツな気分に落ち込んでゆく雄二だった。

 風呂から上がると、結局、イクの勧めもあって雄二はイクの部屋で寝ることにした。イクと一緒にいないと、ほかの教団幹部から何をされるかわからないからだ。
 イクは雄二を寝室に案内したあと、自分はソファーで寝ると言い張って出ていこうとしたが、とりあえずベッドに腰かけて最後のミーティングをすることにした。
「姉さんの術が成功したわけですから、八風神社の近辺で待機していた教団の人間が、雄二さんに成り代わった姉さんと接触していると思います。だから、雄二さんが教団で眠らされていない、ということを姉さんもたぶん知っているはずです。
 これで姉さんがどう出てくるか……。明日は、すこし忙しくなるかもしれませんよ。むろん、雄二さんを再度眠らせようという試みは、わたしが阻止します。雄二さんも、今夜のわたしの『説得』で教団に感化されて、従順になったという感じの演技をしてくださいね」
 イクは雄二の隣りにちょこんと腰かけ、雄二を見上げながら言った。
「ああ、わかってるよ。イクちゃんのことも人前では『イク様』と呼ぶことにする」
「ええ、そうして下さい。時間を稼ぎつつ、なんとか二人でここを脱出して雄二さんに成りすました姉さんのところ行きましょう。行って、説得するんです。それしかない……」
「そういえば聞き忘れていたけど、ここは八風神社からどれ位離れているの?」
「はい、同じS市にあります。市街をはさんでちょうど反対側の山の中ですね。ここが天願教団の本部になります。少し奥まったところにあるので、他の信徒たちに見つからず市街まで行くのは苦労するかもしれませんが……」
「そうか、割と近いところにあるんだ。なんだかそれだけで元気が出てきたよ。よーし、オレ明日から男に戻るためにがんばるぞー。エイエイオー!……ってイクちゃんも一緒にやっ……」
 ふと雄二がイクの方を見ると、今日一日の疲れと風呂上がりで温まったせいか、イクは雄二にもたれかかるようにして眠ってしまっていた。やはり、大人びたところがあるにせよまだまだ子供だ。
 寝顔には邪気というものが全くなく、もう天使のようである。
「んふふ」
 雄二は、初めからそうするつもりだったのだが、イクを起こさないようにベッドに横たえると、自分もその隣りに寝て、タオルケットをかけた。電気を消すと、しばらくして雄二の寝息も聞こえてきた。


==続く==



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